カーボンオフセットの事例報告
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ペレットでCO2抑制 伊那で削減分を企業が買い取り
8月18日(月)
木質ペレットを燃料にしたストーブを使って2酸化炭素(CO2)の排出を抑え、その分を企業と取引する「カーボンオフセット」の仕組みを、伊那市のNPO法人「森のライフスタイル研究所」が来年度、県内で初めて導入する。間伐材が原料になるペレット利用で森林整備を進める狙いもあり、温暖化対策に多くの市民参加を促す試みとして注目される。 ペレットなどの木質バイオマス(生物資源)は、もともとCO2(カーボン)を吸収して成長した木を使うため、石油や石炭などの化石燃料を燃やした場合と違って大気中のCO2を増やさずに済む。これを排出の削減分とみなしてペレットストーブやボイラーの利用者にポイントを発行、企業がポイント換算したCO2削減量を買い取り、自ら排出したCO2と相殺する(オフセット)考え方だ=図。 同研究所は両者を橋渡しする「取引所」の役割を担う。企業側はこの仕組みを通じ、自社製品をCO2を出さずにつくった「カーボンフリー商品」として販売したり、企業活動に伴う一定のエネルギー消費を自然エネルギーで賄ったとPRしたりできる。 一方、ペレット利用者は削減分を現金として受け取れるほか、植林や間伐、みどりの少年団活動などへの寄付も選択できるようにする。ペレット利用を後押ししつつ、森林保全にもかかわってもらう。 本年度は9月から6回、カーボンオフセットの考え方やCO2排出削減量の算出方法などについて学習会を開き、環境NPOや企業、行政による運営会議を開いて仕組みを固める。その上で来年度から上伊那地方をモデルに試験運用を始め、2010年度以降、全県に広げる構想という。 県林務部の3月のまとめだと、県内で使われているペレットストーブは896台、ペレットボイラーは21台。同研究所によると、これらで伊那市高遠町や飯田市の工場で生産されるペレットを年間1400トン消費しており、CO2排出削減量は概算で1700トンほどになるという。 「ペレットによるカーボンオフセットの仕組みが定着すれば、地域資源を生かした地場産業を地域住民が支えることになる。いつでも誰でも参加できる環境活動として広めたい」と竹垣英信所長。木質バイオマス燃料によるカーボンオフセットは、県林務部も近く、事業化に向けた仕組みづくりに着手する。
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