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木質ペレットを軸にしたエネルギー自給戦略:ドイツの事例
国産ペレットの生き残りを賭けて
石炭火力発電所でのバイオマス混焼はこれからも大幅に増加すると予測されている。それを当て込んで、北米を中心に巨大な木質ペレット工場が続々と建設されつつある。ここで生産されたペレットがごく近い将来大量に日本に流れ込む可能性は高い。木質ペレットは、住宅用、事業用、発電用などの用途によって品質に多少の違いがあるが、その差はわずかでオーバーラップしていることもしばしばである。
混焼用のペレットが本格的に輸入されるようになれば、比較的出力の大きい事業用のボイラでもそれを使うようになるだろう。ゆくゆくは高品質の住宅用ペレットまでこれと一緒に入ってくるかもしれない。国内のペレット事業は総じて零細で生産性が低く、このままでは外国産に対抗するのは難しい。何はともあれ市場競争力を高めることが急務である。
ただ国内の森林をベースにする限り、大規模化によるコストダウンはあまり望めない。アメリカの東南部やブラジルで年産50万トン、100万トンクラスの工場が出てくるのは、早生樹種のプランテーションがあるからだ。日本の森林では南部マツやユーカリのように短い伐期で皆伐を繰り返すような経営方式はとれない。
力点はあくまでも構造用丸太の生産であり、エネルギー利用に向けられるのはその副産物や残廃材であるから、集められる量は自ずと限られてくる。コストダウンのポイントは、良いものから順々に取っていって全部使い尽す木材のカスケード利用の中にペレット生産を上手に組み入れることだ。
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